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世界は で溢れている

映画『遺愛』

619(金)
619(金)

山下リオ

小川あん / 藤井京子

瀬戸さおり 関口アナン 市野叶 小島叶誉

マキタスポーツ

監督:酒井善三

企画プロデュース:大森時生

脚本:宮﨑圭祐 酒井善三 音楽:吉川彰彦

TRAILER

INTRODUCTION

酒井善三監督&大森時生プロデューサー&主演・山下リオでおくる“恐怖”映画。
父の死を機に母の介護を始めた女性の周囲で、次々に起こる異変。
それは、母の抜け殻に入り込んだ“何か”による呪いなのか。
それとも、介護に疲れ追い詰められた女性の心の闇が生んだ虚構なのか……。

『このテープもってないですか?』(2022)、『SIX HACK』(2023)などでタッグを組んだ酒井善三監督&大森時生プロデューサーによる劇場長編映画『遺愛』が描くのは、愛すべき家族がある日を境に忌まわしい存在へと変わっていく“恐怖“だ。

主人公・藤井佳奈を演じるのは、2025年に異例のロングランヒットを記録した『雪子 a.k.a.』の熱演が話題を呼んだ山下リオ。
本作では母の介護に疲れ、何か取り憑かれたように次第に常軌を逸していく女性の狂気を体現する。

監督は、配信ドラマ『フィクショナル』(2024)の酒井善三。短編映画『カウンセラー』が2021年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭SKIPシティアワードを受賞(短編映画としては初)し、
全国の劇場で公開されるなどカルト的人気を獲得。黒沢清監督も注目する新進気鋭の監督である。

企画プロデュースを務めるのは、テレビ東京の大森時生。『イシナガキクエを探しています』(2024)、『UFO山』(2025)などのフェイクドキュメンタリーシリーズ「TXQ FICTION」の制作や、全国の累計動員数30万人以上(2026年2月現在)を動員している「行方不明展」「恐怖心展」といった展覧会イベントを手掛ける人気若手プロデューサーが、初めて劇場映画を手掛ける。

家族への慈愛に満ちた介護が、徐々に不穏さと違和感をまとい、やがて恐怖へと変貌していく――ただ怖ろしいだけではない、
“現世に遺(のこ)された愛”の本当の姿とは?「愛と呪いの物語」が、恐怖そのものを描く“恐怖映画”としてここに生まれる。

STORY

実家で母の介護を続けていた藤井佳奈(山下リオ)が、ある日、妹・杏里(小川あん)のもとを訪ねてくる。
佳奈は血色が悪くやつれた様子で、自分たちの母が“もう母ではない、何かになってしまった”ことを告げる。

父の死を機に実家に戻り、献身的に母の介護を続けていた佳奈。
だが彼女は、話しかけてもほとんど無反応で、食べ物をこぼし、部屋を散らかし、
ときに突然噛みついてくる母に対して次第に苛立ちを募らせ、疲弊していく。

そんななか、佳奈の周囲で不幸な出来事が立て続けに起こり、
彼女はその原因が母――今はもう母ではない“何か”――による呪いだと考えるようになる。
そしてその呪いの次の標的は、一家と懇意の精神科医・熊谷(マキタスポーツ)、さらに次は勇太の番なのだと。

果たして、佳奈が言うように本当に呪いが存在し、家族に危険が迫っているのか。
それとも、介護に疲れ心身ともに限界に達した彼女が生み出した偽りの真実なのか。
佳奈と共に母の暮らす実家へと向かった杏里は、そこで驚くべき光景を目にする。

CAST/STAFF

主演 / 下リオ

COMMENT

脚本を読んだ時に、この作品が映像化しているのを誰よりも観たいと思いました。
鬼才酒井監督の頭の中の景色を体現していく時間は、雲を掴むより難しかったですが、素晴らしいスタッフの皆さんと共に、
現実の空間として作っていく時間は幸せだったなと思います。
これは愛か、呪いか。壮大なテーマに聞こえますが、多角的な見方の出来るジャンルレスな映画になったと思います。
皆様の反応が今から楽しみです。

監督 / 井善三

COMMENT

呪いというのは実在するのでしょうか?
この世ならざるものは存在するのでしょうか?
僕にはわかりません。
ただ、この作品は絶対に観客の皆さんを呪いませんので、安心してご覧頂ければと思います。
才気あふれるスタッフ・キャストの皆さんと共に、この作品をお届けできることを光栄に思います。

企画プロデュース / 森時生

COMMENT

僕は呪いを信じません。でも呪いを信じた方が好都合だと思うことは多いです。
『遺愛』がロッテルダムをはじめ世界に羽ばたくことをとても嬉しく思います。

プロデューサー / 山晃太郎

COMMENT

日本だけではなく世界中の方々にご覧頂ける作品にしたいという思いで製作しました。
幸運なことにロッテルダムやポルトなど数多くの名作が生まれた映画祭で上映いただけることになり、心から感謝いたします。
一人でも多くの方に届くことを願っております。ぜひ劇場でお楽しみ下さい。

COMMENT (順不同・敬称略)

(作家)

構造の話をしましょう。

「わたし」が親愛/信頼/恩慕の情を持っていた他者が、突如として怪奇な何かに変貌した。
つまりは、人の姿をとる怪。映画に限らず、ホラー表現を含む作品にはよく見られる構造です。

ここで大切なのは、
「わたし」のよく知る他者が見知らぬ存在に変わったという疑念を抱くとき、
変わっているのは他者ではなく「わたし」の認識だけである、

という事実です。

なぜなら、もしその疑念が真だったとして、
「変貌した」ことに気付いたときにはすでに変貌は完了しているからです。
当然ですが忘れがちな前提ですね。
結局は、今までの自分が境界線をどこに引いてきたか、という話でしかありません。

では、人の姿をとる怪とは、一体どんなときに現れるのでしょうか。
いや、この言い方は正確ではありませんね。もう少しこの疑問を分解しましょう。

わたしが他者を悪魔化する境界は、一体どこにあるのでしょうか。
「遺愛」を観終わったときからずっと考えていて、未だ答えが出ていない問いのひとつです。

ミミカ・モーフ

(ホラー映画紹介Vtuber)

家族の時間を取り戻す介護のはずが
なんでこんな胸糞悪い事が思いつくんだ!
ただでさえ介護は大変なのに...
観ているうちに何もかも信用できなくなってしまう
思い出も今ある幸せも助けたい想いも何にも信じられない
そして心に穴が空き、粘り気のある不快感と絶望だけが満ちていく
喪失と疑心暗鬼で最悪な気分になりました
おすすめです

高瀬隼子

(小説家)

善人悪人の別なく理不尽に降りかかる恐怖に、家族の介護という現実的な不安とのつながりを感じ、
観終えた後もひたひたとした息苦しさが残りました。

えっ今の表情って......と瞬きを忘れて画面を見つめてしまったり、
自分はこの姉妹のどちらの立場にも成りえると、
想像して苦しくなったり、夢中で観ました。とても、こわかったです。

福尾匠

(批評家・哲学者)

遺されたのは、愛か呪いか。
その二者択一のあいだを吹き抜ける風がわれわれの眼を打つ。

しかし眼を閉じてはならない。なぜならその風は「見えないもの」であるからこそ、
眼を開いていなければ「見えない」ことが見えないからだ。
一家は涙さえ枯らすその絶望の風に吹き晒されるが、家は逃げ場となりえない。
なぜなら家の閉鎖性こそがその風の養分だからだ。窓を震わす隙間風が金切り声を上げる。

原宿

(オモコロ・元編集長)

「あれ?おかしいな...」と思っても、ツッコんでくれるスターは不在!
90分間、1ミリも前向きな気持ちにさせない不穏のつるべ打ちを浴びれるのは「遺愛」だけ!
ごめんなさい、僕たちは自分にとって都合のいい解釈を切り貼りして生きているだけで、
本当の破綻からは目を逸らし続けておりました。愛は支配!家族は他人!Repeat after me!!

木下龍也

(歌人)

呪いの渦から放り出されて映画館に戻されたとき、本当にこのまま帰っていいのかわからなかった。
え?だって誰も救われてないじゃないですか?あの人が何か悪いことしましたか?もともと弱っている人ですよね?
なんで酷い目に遭うんですか? なんで僕だけ助かるんですか? と本気で思ってしまった。
無駄だ。だって理屈が通じる相手じゃないんだから。

こんな最悪を予習させてくれてありがとう。これから役に立たないことを切に願う。

皆口大地

(「ゾゾゾ」「フェイクドキュメンタリーQ」)

この映画が描く愛は恐怖に満ちている。
遺された愛は歪み、姿や色を変え、
まるで腐ったケーキの様に日常を蝕む。
愛とは見えない毒だ。
誰から愛されて、誰を愛しているのか、
愛の解釈でこの映画は恐ろしく姿を変える。
自分は愛されるより愛したい。

佐々木敦

(批評家)

パラノーマルホラーなのか、サイコロジカルスリラーなのか、
本作はそのあわいをひたすら振幅し続ける。
最後の最後まで反転し続けるナラティブと、山下リオの異常集中演技に震えろ!

恩田陸

(小説家)

呪いも憎悪も恐怖ですらも、
愛の側面なのだと身につまされた。

チャンス大城

(お笑い芸人)

生霊とか呪いとか
間違いなくあります

信じてもらえないと思いますが
2009年に
死神にマーキングされた事があります

あまり話すと長くなるので
やめておきますが

とにかく
すごく面白い映画でした

この世には
説明の出来ない事が
存在していて
色んなことを
思いだしました

真面目に
人を思いやりながら
生きていこうと
思いました

近藤亮太

(映画監督)

呪いはどこか外部から襲ってくる脅威ではない。

僕たち一人ひとりが抱く心の奥底にある異界から、それぞれがささやか
に感じる「嫌い」から、他者に対する無理解から、『遺愛』は世界を支配する呪いの正体を描き出す。

家族愛と人間性のもたらす、他の誰にも撮りえない恐怖に慄いた。

鶴田法男

(映画監督・小説家)

豊潤な歪さ、贅沢な不安。本作は単なるホラーを超えた、正真正銘の「恐怖映画」だ。
物語が進むにつれ映画がポジティブな錯乱を始め、誰も到達できない領域へ突入する。『CURE』以来の魅惑的な嫌悪感、主演の責務を超越した山下リオの凄みある演技、酒井善三監督の緻密な絵作りと的確な編集。そこに現代の日本ホラー界を牽引する大森時生プロデューサーの見事な手腕が加わり、この超絶怪作が誕生した。立派な映画を観たという深い感謝に満たされる。これぞ必見作!!

末廣末蔵

(ジャンル映画大好きツイッタラー)

モキュメンタリーで数々の恐怖を発明した大森時生×酒井善三が、劇映画でもその地獄をより鮮明に、
そして徹底的に描いてみせた、"厭な気持ち"に満ち満ちた介護の記録。

死臭と悔恨と黒い感情が混ざり合った薄暗い母親への介助の日々は、
丁寧な生活を重ねても、前向きな言葉を重ねても、決して晴れることは無い。

己の人生を憂える日々は、やがて、すぐ側に佇む心の闇と結びついて呪詛となり、
容赦無く周囲を侵食して、徐々に、でも確実に、考え得る最悪の結末に向かう。

夜馬裕

(怪談師/作家)

家族を認識せず、言葉も発しない脱け殻のような母親
その中に別の《何か》がいるのでは?と疑念を持つ娘

姿の見えない邪悪な《何か》は実在するのか?
憑いているのは介護に疲れた娘の狂気なのか?

息詰まる不穏と姿なき恐怖、そして忍び寄る絶望
覚悟がないなら、この作品を観てはいけない
私と同じく、心底震えることになるのだから――